音楽 Music

アラブ音楽ユニット「ファルハ」のライブ

アラブ音楽ライブをひんぱん開催していると、噂には聞いていた、東京・西荻窪のライブハウス「音や金時」に初めて行った。 先日、カフェバグダッド・イベントのゲストとして、師岡カリーマさんとのセッションに登場いただいた、ウード奏者、常味裕司さん率い…

「アラブ・ミュージック その深遠なる魅力に迫る」

「アラブ・ミュージック その深遠なる魅力に迫る」と題したアラブ音楽本がこのほど刊行された。カフェバグダッド第一弾のゲストにお招きした中町信孝氏から、わざわざ送っていただいた。多謝。 この本、国際交流基金が2006年に実施した「中東理解講座」…

中東カフェ「踊るアラブ人」(1)

2月1日夜、東京・汐留の「キューバン・カフェ」(Cuban Cafe)で、アラブ音楽をテーマにした、「中東カフェ」イベントが行われた。題して「踊るアラブ人」。カフェバグダッド第一弾のゲストだった、中町信孝氏(早稲田大学助手)と、音楽評論家?…

アラブ・ポップスから見えるもの(その2)

さらに、カウム、ワタン、ウンマの3要素のほかに、2006年夏のイスラエル軍レバノン侵攻を受けたアラブポップス音楽の潮流も紹介。シェリーンの「わが心のレバノン」には、ワタン的要素に加え、「目には目を。でも始めた者が悪いに決まっている」との歌…

アラブ・ポップスから見えるもの(その1)

3年余り前に開いた「カフェバグダッド」最初のイベント「シーシャとエジポップの夕べ」にゲストとしてきていただいた中町信孝氏が、アラブ世界のポップス音楽の現状からアラブ民衆の国家意識を読み解こうという、ユニークな試みを続けている。ちなみに「エ…

ベイルート、ベイルート!

東京に暮らしていながら、最近続々と増えているアラブ文化関連イベントに足を運ぶのを最近さぼっていた。ということもあり、1月28日、渋谷のアップリンクで行われた「レバノンのポップ&クラシック」というイベントに行ってきた。アップリンクのイベント案…

アラブ音楽連続講座

国際交流基金が開催している「異文化理解講座シリーズ」の中で、来年1月20日から、毎週金曜日午後7時から、連続10回の講座「アラブ・ミュージック―その深遠なる魅力に迫る」が行われるようだ。講座の日程など第6回目の2月24日には、カフェバグダッ…

戦争、そしてメジャーデビュー

【カーゼム・アッサーヘルという歌手3】 1980年のイラン・イラク戦争から、1991年の湾岸戦争までは、イラクが戦争に明け暮れた時期。カーゼムも、イラ・イラ戦争で徴兵されたとも言われる。 いずれにせよ、カーゼムも、イラク国内で苦難の時代を過…

アラブ・ポップス音楽の今を解説

「国際交流基金」が刊行する「遠近」(をちこち)という雑誌が、最新の6、7月号で、「知られざるアラビア世界」という特集を組んでいる。「アラブ」ではなく、「アラビア」なのは、巻頭対談に登場する片倉もとこ・国際日本文化研究センター所長の考えのよ…

スーパースターの実像

【カーゼム・アッサーヘルという歌手6】 カーゼムは、その風貌の「イケメン」ぶりも、人気の理由であることは間違いない。だが、意外と、「イケてない男」を演じる歌も多い。その代表格が「アナ・ワ・ライラ」だろう。一方的片思いの女性に、あっけなく振ら…

時流に挑戦する古典回帰

【カーゼム・アッサーヘルという歌手5】 カーゼムの最新アルバム「Ila Tilmitha」(2004)は、前述の通り、カーゼムがアラブ古典ポヒュラー音楽回帰を一層明確にしたアルバムだ。アラブ音楽界の動向を詳しくフォローしているブログ「のぶろぐ」によると…

アラブ世界全体を視野に

【カーゼム・アッサーヘルという歌手4】 カーゼムの名を一躍、アラブ世界全体へと広めたのは、名曲「アナ・ワ・ライラ」(私とライラ=1998年)だろう。ライラ(アラブ女性の名)に振られた男性の鬱々とした心の内を歌った曲だ。この曲は、英BBC放送…

「自由なイラク」に育まれ

【カーゼム・アッサーヘルという歌手2】 カーゼム・アッサーヘルは、1961年、イラク北部モスルで生まれた。父は家具職人。本人によれば、父はイスラム教スン二派、母はイスラム教シーア派だという。12歳の時、自らの自転車を売って、ギターを買う。そ…

アラブ音楽の本流を行く歌手

【カーゼム・アッサーヘルという歌手1】 カーゼム・アッサーヘルという歌手がいる。イラク生まれの44歳。メジャーデビューから10年たらずで、世界でアルバム3000万枚を売ったアラブ音楽界のスーパースター。 音域の極めて広い天賦の美声を持つこの…

バグダッド・ブルース

東京・渋谷のHMVで、「バグダッド・ブルース」なるCDを見つけ、即、買った。ジャケットは、あの、バグダッド独特ともいえるくすんだカフェの写真で、水タバコを吸う男である。このブログの題字の写真に使わせてもらった、バグダッド・ラシード通りの「…

柳家花緑氏、アラブのヒットソングを熱唱

このブログでも案内したが、NHKテレビ「アラビア語会話」の3/22の回の「アラブに触れる」コーナーで、アラブ世界スーパースター歌手、カーズィム・アッサーヒルが紹介された。カーズィムの大ファンである講師役の師岡カリーマさんが、カイロでカーズ…

師岡カリーマさんが語るアラブ音楽

残すところあと2回となったNHKテレビ「アラビア語会話」。最終回(3/29)の「アラブに触れる」コーナーでは、落語家・柳家花緑氏が、アラビア語による落語を披露するようだが、次回3/22の同コーナーでは、講師の師岡カリーマさんが、アラブ音楽…

イラクのポップス音楽

昨年末発行された季刊「アラブ」(日本アラブ協会発行、写真)に、カフェバグダッド第一弾「シーシャとエジポップの夕べ」のゲスト、中町信孝氏(東京都立大非常勤講師)が書いた「アラブ・ポップス最前線−−イラクのブルトゥカーラ現象」と題する記事が掲載…

踊るナンシー・アグラム

7月28日(水)夜、東京・東北沢のカフェ「現代ハイツ」で開催された「シーシャとエジポップの夕べ」で、スクリーンに映し出されたエジポップのトップアイドル、ナンシー・アグラムの熱唱シーン。すみません、イベント全体の雰囲気が分かるような写真がま…

アラブ大衆文化の面白さ

エジポップ(アラブのポップス音楽)を語る上で欠かせないのが、エジプトの異才、シャアバーン・アブデルラヒームだ。エジプト・カイロの貧困地区のクリーニング屋から大スターに「成り上がった」アブデルラヒームの歌は、アラブの民衆が心の中に抱える反米…

レバノンの実力派アイドル歌手

最近、車の中でいつも聞いているアルバムがある。レバノン人のアイドル女性歌手ナンシー・アジュラムの「ヤー サラーム(Ya Salam)」。2003年の夏、カイロで友人のエジプト人から「すごい歌手がいる」と教えられたのが彼女。日本で改めて聞くと、歌唱力もある…