バグダッドの魚レストラン再開?

イラクの元計画相で現在国民議会議員のメフディ・アル・ハーフェズ氏の来日講演会に行ってきた。氏は、2004年から05年にかけてイラク暫定政府のイヤード・アラウィ首相のもとで、計画相を務めたという。アラウィ元首相は、アハマド・チャラビ氏と並び、イラクの世俗派の代表的政治家。ハーフェズ氏は、元々アラウィ氏と政治的行動をともにしてきたという。確認はしなかったが、アラウィ氏が代表を務めるフセイン政権時代の反体制派組織の流れをくむ「イラク国民合意」のメンバーだったのかも知れない。だが、本人によると「今はたもとを分かった」のだという。「政治路線の相違が理由ではない」と説明していた。

確かに、ハーフェズ氏の発言は、国会議員選挙の仕組み改正など、アラウィ氏が主張していることと、似通っている印象があった。世俗派では、あまり関係ないかも知れないが、2人はともにイスラムシーア派でもある。

記憶に残った発言としては、
「(イラク駐留米軍の)ペトレイアス司令官がとった(地元スンニ派勢力と外国人系スンニ派武装勢力の離反を促す)作戦は非常に賢い」
イラクの治安は改善された。これを持続させるためには、国民和解などの政治プロセスの進展が重要」(ニューヨーク・タイムズに、米側がそんなようなことを考えているとの記事が出ていた)

「(政党リスト制の)国民議会議員選挙の仕組みは変更すべき。小選挙区制を盛り込んだものは一つの考え」

イランによるイラク情勢への介入の有無についてイラクシーア派はどう理解しているか、との問いには「人々の間でそうしたことがある、と理解されている」とあっさり、認めていた。

だが最も面白かったのは、2005年に暫定首相を退任したイヤド・アラウィ氏が今後、イラク政治の中心に復帰することはあるか?との質問に「絶対にない」と言い切ったこと。アラウィ氏はこのところ、内外マスコミにひんぱんに登場し、イラクの現マリキ政権批判を展開するなと、「倒閣運動」を展開しているだけに、今後が注目されるところだ。

ところで、メフディ氏に同行していたイラク外交官によれば、バグダッドチグリス川に面したアブ・ナワス通りは、テロ警戒のための封鎖は解かれ、マズグーフと呼ばれる魚を焼いて食べさせるレストランの営業も始まっているという。もちろん、シーシャ(水タバコ)も。

追伸・共同通信は、こんな記事を配信したようだ。