日本とアラブのジャーナリスト対話(1)

日本外務省が主催した「日本・アラブ・イスラム・ジャーナリスト会議」(Japan−Arab Islamic Journalists Meeting)に8日、行ってきた。2005年に続く第二回で、日本とアラブの記者が、マスメディアの役割や相互理解の方策などについて討論するというもの。
最初に苦言からだが、会場からの質問者も不快感をしめしていたが、なぜ、名称に「イスラム」という言葉を入れたか、疑問だ。「アラブ=イスラムというステレオタイプを助長する」との会場からの質問は至極まっとうと思う。エジプトの人口の一割はキリスト教徒だし、レバノンパレスチナをはじめ、他のアラブ諸国にも多くのクリスチャンその他の非イスラム教徒がいるのだから。

それは、ともかく、参加パネリストは、敬称略で
エジプト カマル・ガバラ(エジプト紙アル・アハラム副編集長)
日本 池村俊郎(読売新聞調査研究本部主任研究員)
日本 出川展恒(NHK解説委員)
ヨルダン アピール・ダムラ(ヨルダン国営ペトラ通信国際部記者)
サウジアラビア ワリード・アル・ガムディ(汎アラブ紙アル・ハヤートのリヤド支局長)
の各氏で、
司会を高橋和夫氏(放送大学助教授)が務めた。会場の東京・日比谷の日本プレスセンターには、確認した限り、エジプト、サウジアラビアアルジェリア、ヨルダンの駐日大使をはじめ、在日アラブ人(イラン人も)ジャーナリストなどが詰め掛けた。

2部構成で、前半が「異文化に対する誤解と偏見はあるのか」、後半が「変容する社会の中でのジャーナリストの役割」をテーマにした。
以下、何回かに分け、時系列で、交わされた議論を紹介したい。