ハーフェズ占い

 イランの街頭では、小鳥に自分の運勢を占ってもらうという小粋な占いがある。「ハーフェズ占い」。託宣は、イランの国民詩人ハーフェズ(1326頃−1389頃)の詩の一節だ。
 「多くのイラン人は子供の頃にハーフェズの詩を暗唱する。それぞれの家には、イスラム教の聖典であるコーランがあるように、ハーフェズの詩集があると言われている。ハーフェズ占いという占いは、このハーフェズの詩集を開いて、そこに書いてある詩から運勢を占うものである。」(鈴木珠里「詩の国イラン」、月刊誌「アジアウェーブ」1998年11月号)

テヘラン北部タジュリーシュの繁華街をぶらついていると、その、小鳥を使ったハーフェズ占い師にでくわした。一回引いて2000リアル(20円)。それにしても、小鳥は器用に占いの紙を引く。

筆者のために小鳥が引いた紙にはハーフェズの詩の一節と、こんな解説が書いてあった。

「あなたは、数多くの恋愛遍歴を持つ思想家であり決断力のある人物だ。あなたはこのところ、自分がすべきこと、すべきではないことに迷っている。ハーフェズは言う。自分の道を進むことが成功の道だと」