師岡カリーマさんの新著は「イスラームから考える」

次回カフェバグダッド・イベントのゲストの1人、師岡カリーマさんが久しぶりに新著を出すようだ。タイトルは、「イスラームから考える」。「世界中で報じられるイスラームの視点とは異なる視点で、イスラーム(世界)をとらえる」(カリーマさん)というものだそうだ。出版社は前作「恋するアラブ人」に続いて、白水社
テーマは、「預言者ムハンマド風刺画問題」、「パレスチナ問題」、「聖典コーランの翻訳問題」、「原理を無視するイスラム原理主義」、「青年よ、恋をせよ」、「愛国心を教えるということ」、「私の9.11」、「カルチャー・ウィークの限界」などなど。巻末には、東京外国語大学院教授の酒井啓子氏との対談が収録されている。

たとえば、最初の「悪の枢軸を笑い飛ばせ」と題した一章では、ニューヨークの「スタンド・アップ・コメディー」の中東諸国系の芸人が、パレスチナ問題などの中東の深刻な問題を笑いとばしている様子を紹介。パレスチナ人のディーン・オベイダッラーやイラン系のなんとかなど、有名「中東系芸人」がいるようだ。
ほかにも、コーランの日本語翻訳問題など、これまでの中東関係書籍ではあまり言及されてこなかった問題も正面から取り上げるようだ。もちろん、カリーマさんの得意分野である、アラブの詩、詩人に関するカリーマさんの思いや、エピソードも豊富に盛り込まれているようだ。

「(イスラム世界の問題を)イスラムの問題としてではなく、人間の問題として考えれば、もっと、簡単な問題になる」。カリーマさんが新著を通じて訴えたいのは、そういうことのようだ。
新著の切れ味について、「各方面に配慮したために、中途半端なものになった」と謙遜するが、他の多数の不自由な文筆者と比べれば、中東やイスラムをめぐる諸問題について、ズバリと突っ込んでくれていると信じたい。

4月6日(日曜日)のカフェバグダッド・イベントに、発売は間に合わなかった。ただ、「恋するアラブ人」などの著書を持ってきてくれれば、カリーマさんがサインしてくれるそうです。イベントの質疑応答では、新著のことなど、音楽以外に関する質問も歓迎です。