イスタンブール・カフェの愉楽

5年ぶりにトルコ・イスタンブールを訪れた。トランジットで一泊だけだったが、やはり、昔通ったカフェが気になる。金角湾に面したトプハーネと呼ばれるエリアのモスクの横にあるカフェ。界隈は、別名アメリカン・パザリといって、水タバコ(トルコではナルギーレと呼ぶ)カフェ(nargile cafe)が集まっている。その一角の一番道路に近いカフェがお気に入りだったのだが、5年をへて、ずいぶんと様相が変わっていた。店内も外装もリニューアルされていて、壁にかけられた液晶テレビには、トルコ・ポップスのビデオが流れている。写真を撮ったつもりだったのが見つからないのが残念だが、いずれにせよ、5年前の雰囲気はなくなっていた。携帯電話で撮った写真は、これ 気を取り直して、旧市街へ向かう。イスタンブールに来るとなぜか足が向くアヤソフィアを鑑賞して、トラムの道をベヤジット方面へ。アヤソフィアの対面にあるブルーモスク裏のじゅうたん屋の主人がすすめてくれた、アリ・パシャ・メドレセと呼ばれる水タバコカフェ街(写真上、下)へ。「街」というか、中庭のような場所にカフェがいくつか開店している不思議な空間だ。近くにモスクがあるらしく、夕暮れ時に、アザーン(礼拝の呼びかけ)が聞こえてきて、なんとも理想的水タバコタイム。 アリ・パシャ・メドレセは、かつて行きつけだったトプハーネと比べると客の年齢層が高い印象だ。下町の風情に、なんとも味のある表情と風体のトルコ人たちが、まったく絵になっている。