テヘランでロターナをみる

イランはペルシャ湾をはさんで、アラブ諸国と対峙しているわけで、アラブ諸国発の衛星テレビを視聴することは、テヘランでも可能だ。ただ、イランの場合、衛星テレビ受信用アンテナ設置は、基本的に禁じられている。ただし、筆者宅は、当局の許可をもらっているので、これらのアラビア語放送の視聴が可能となっている。そこで、リモコン片手にさまざまなチャンネルを視ていて、驚かされたのが、アラブ首長国連邦ドバイの芸能音楽衛星テレビ「ロターナ」(Rotana)の充実ぶりだった。映画専門チャンネルの「CINEMA」、音楽ビデオクリップ専門の「CLIP」、コンサートなどを放映する「Music」、昔の古き良きエジプト映画専門の「ZAMAN」、古き良きエジプトのアラブ歌謡専門の「TALAB」。湾岸地域向け「ハリージ」・・・・といったチャンネルがずらりと並び、これらをちょこちょことチャンネルを変えて視ているだけで、まったくあきない。「TALAB」では、ラマダン(イスラム教の断食月)期間中、なぜか、「褐色のナイチンゲール」こと、エジプトのアブドルハリーム・ハーフェズのコンサート録画をいつもやっているが、写真のエジプトが生んだアラブ世界の「ディーバ」(歌姫)ウンム・クルスームのコンサートもやっていた。「CINEMA」では、作品上映だけでなく、最新映画情報を紹介する番組もやっていたりいるので、アラブを離れて4年で、穴のあいた芸能情報を補足するのに有益だ。