イランとパレスチナ

イランとパレスチナ。イラン政府は、イスラエルを国家承認しておらず、国営テレビは「レジーメ・シオニスティ」(シオニスト政権)と呼び、国家名であるイスラエルを使わない。だから、イスラエル全土の「解放」を掲げ、イスラエルの存在を公式には認めないイスラム原理主義ハマスを全面支援する。
では、国民はどうか。パレスチナの人々への同情心は誰しも抱くものの、イラン政府が、ハマスなどに多額の経済支援を行うことに対しては、「その金をオレたちに回してくれよ」という不満も聞かれる。エジプトやレバノンあたりでも聞かれる不満だが、民族が異なるということで、国民のパレスチナ人に対する距離感は、そうしたアラブ諸国よりも、さらに大きいのではないか。

写真は、今年2月、ハマス最高幹部ハレド・メシャル氏がイランにやってきた際、テヘラン大学屋外大講堂で行った演説で、レバノンイスラムシーア派組織「ヒズボラ」の黄色い旗を振る青年。ヒズボラシーア派の組織だし、ハマスとは若干違うだろうが、彼のような純真なパレスチナひいきの若者は、イランにどれだけいるだろうか。