イランの常套句

 スイス・ジュネーブでのアフマディネジャドイラン大統領イスラエル非難演説が物議を醸しているが、イランで、イスラエル非難の常套句というと、「マルグ・バー・イスラエル」。日本語で「イスラエルに死を」。英語では、写真のように(つづりが少し違うけど・・・)「Down with Israel」となる。

テヘラン大学で毎週行われる金曜礼拝とか、政権側の集会なんかに行くと、独特の節回しの「イスラエルに死を」のシュプレヒコールが会場に響く。
たいていは、イラン革命防衛隊傘下の民兵組織「バシージ」あたりが音頭を取って行うが、たまに女性たちの姿も見たりする。

水タバコ規制強化か?

イラン保健省のたばこ規制担当当局者は、「チャイハネ(喫茶店)での水タバコ根絶」に向けた厳格な新施策を近く実行に移すと明らかにした。
 この当局者は、警察当局もこの施策を支持する見通しだと語り、イラン国内の多くの州での適用に何の障害もないことを強調した。
 統計によると、水タバコの身体への危険性は、紙巻きたばこの40倍で、水タバコを一時間吸えば、紙巻きタバコ一時間の200倍の危険度だという。(イラン紙「ジャーメジャム」、4月21日付)

こんな記事が新聞に載っていた。チャイハネの水タバコ規制は、前にも号令がかけられ、一部水タバコカフェが閉鎖されたようだが、若者を中心に水タバコ人気が拡大する中で、効果は限定的なものだった。大統領選挙を6月12日に控えていることだし、政府が本気で根絶に乗り出せるかは、微妙といえるだろが・・・。

 

ペルシャ更紗とシルクロード

イランの古都イスファハンの名産の一つが、「ペルシャ更紗」(ガラムカール)。木綿の生地に木製スタンプでさまざまな模様を染め抜く。ガラム(筆)カール(仕事)の名のとおり、昔は、模様を筆で描いていたらしい。

メイダーネ・イマームイマーム広場)で、後ろからぽんぽんと肩を叩かれて振り向いたら、日本語をしゃべるあやしげなイラン人男性。「シルクロードシルクロード」とつぶやきながら、筆者の手を引いて、広場近くの更紗の工房へ。「シルクロード」といっていたのは、ここで更紗を作っているおじいさん(男性の父)が、「NHKシルクロード」に登場したことがある、ということを言いたかったらしい。

雑誌「フォーサイト」に

 新潮社の予約購読制のニュースマガジン「フォーサイト」に、6月のイラン大統領選挙に関する原稿を寄稿しました。機会がありましたらご笑覧ください。
(写真は、イラン中部イスファハンを訪問したアフマディネジャドイラン大統領(右)。左端は、サイード・ジャリリ国家安全保障最高会議書記)

時は過ぎて・・・


サファビー朝ペルシャの都として繁栄したイラン中部イスファハンの象徴ともいえる「イマーム広場」。学生時代の旅行以来、久しぶりに足を踏み入れた。その当時は、みやげ物店もそれほどなかった記憶があるが、今やぎっきりと並んでいる。神秘性は薄らいだ感がある。
 前日に、アフマディネジャド大統領が遊説に訪れたばかりとあって、大統領や最高指導者ハメネイ師のポスターなどが、あちこちに貼られていた。

古都のアンティーク・カフェ


 イランの古都イスファハンの最大の見どころ、イマーム広場から少し入ったところにある「アザデガン」という名のチャイハネ。ここのウリは、天井や壁にところ狭しと飾られたアンティーク。ランプ、時計、ポットなどに加え、往年のサッカー選手や大相撲の小錦の写真まで。BBCテレビ(英語版)が今年2月に放映した、「イランの味」という紀行番組でも紹介されていた。外国人の姿も目立つが、金曜日の午前中にのぞいたら、住民が遅い昼飯を食べたり、水タバコを吸ったりもしていた。

「軍縮問題資料」に

7日発売の月刊誌「軍縮問題資料」5月号に、イスラム革命30年を迎えたイランの現状に関するレポートを寄稿しました。ご笑覧ください。

(写真は、1月31日にテヘラン南部のホメイニ廟で行われた、ホメイニ師帰国30周年記念式典で歌うイラン革命防衛隊メンバー)